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昼想夜夢~君、想ふ~
第2章 記憶
「いや、いくら何でもそれはなぁ…」
参った…。
まさか、彩花からそんな申し出があるとはな。
それに俺は、若い子みたいにメッセージのやり取りは得意な方じゃない。
指は疲れるし、特にこれと言った話題も持ち合わせていない。
「北条に悪いしな」
「えー、別にいいじゃん!純お兄ちゃんとは積もる話もいっぱいあるしさー」
言われて見れば確かにそうだな。
あの日突然、俺の前からいなくなった理由とか、その後の生活とか気になることはたくさんある。
が、しかし
そんな事の為に後輩の彼女とメッセージのやり取りをする訳にもいかんだろう。
「悪いが、それは…」
「ね?お願い、お兄ちゃん」
―――――…っ!!
彩花は本当に美しく成長していた。
それは間違いなく、あの頃のサヤカではなくなっていた。
透き通るような肌に、サラサラの髪の毛。
琥珀色をした瞳、甘い声。
可愛らしい表情で、両手を合わせて俺に我が儘を言うその姿は、あの頃とちっとも変わっていなかった。
思い出した。
俺は、サヤカの我が儘には弱かった。
可愛い顔で我が儘を言うサヤカには、いつも勝てなかった。
「早く。まー君が帰って来ちゃう」
「あ、あぁ…」
スマホを取り出した俺は、彩花に促されるままにIDの交換をした。
サヤカは俺に、癒しをくれていた。
忙しい毎日を一瞬忘れさせてくれるようなホッとする時間をくれた。
しかし、今俺の目の前にいるのは美しく成長した彩花だ。
美しく、そして惑わすような笑顔で、俺を困惑させる女へと成長していた―――――。
参った…。
まさか、彩花からそんな申し出があるとはな。
それに俺は、若い子みたいにメッセージのやり取りは得意な方じゃない。
指は疲れるし、特にこれと言った話題も持ち合わせていない。
「北条に悪いしな」
「えー、別にいいじゃん!純お兄ちゃんとは積もる話もいっぱいあるしさー」
言われて見れば確かにそうだな。
あの日突然、俺の前からいなくなった理由とか、その後の生活とか気になることはたくさんある。
が、しかし
そんな事の為に後輩の彼女とメッセージのやり取りをする訳にもいかんだろう。
「悪いが、それは…」
「ね?お願い、お兄ちゃん」
―――――…っ!!
彩花は本当に美しく成長していた。
それは間違いなく、あの頃のサヤカではなくなっていた。
透き通るような肌に、サラサラの髪の毛。
琥珀色をした瞳、甘い声。
可愛らしい表情で、両手を合わせて俺に我が儘を言うその姿は、あの頃とちっとも変わっていなかった。
思い出した。
俺は、サヤカの我が儘には弱かった。
可愛い顔で我が儘を言うサヤカには、いつも勝てなかった。
「早く。まー君が帰って来ちゃう」
「あ、あぁ…」
スマホを取り出した俺は、彩花に促されるままにIDの交換をした。
サヤカは俺に、癒しをくれていた。
忙しい毎日を一瞬忘れさせてくれるようなホッとする時間をくれた。
しかし、今俺の目の前にいるのは美しく成長した彩花だ。
美しく、そして惑わすような笑顔で、俺を困惑させる女へと成長していた―――――。