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昼想夜夢~君、想ふ~
第14章 昼想夜夢
まぁ、不審者扱いされて警察沙汰にならないでよかった。
俺に伝えといて欲しい事があるようだが…。

「何を伝えるんですか?」
「いやー、こっちも困ってるんですよ!いきなり契約を解消されて引っ越すもんだから」








――――――え…?

契約を解消?
引っ越し…?











管理人の口から出た言葉が俺の心臓に突き刺さった。











え…?
マンションの契約を解消した?









「とりあえず、今月と来月の家賃は払って貰うけど。部屋の中の荷物もそのままになってるから、こちらで処分していいのかどうか…、それを聞いといて貰えると助かるんだけど」



部屋の中の荷物もそのまま…?
こちらで処分…?

って、何だよ、それ…
まさか…


「あの、それじゃ…」

震える心を抑えながら俺は必死に口を開いた。
管理人の言葉など、耳には入って来なかった。

「この部屋は…、今は…」
「あー、解約の申し出があったのが昨日だからねぇ。もう空室だよ。部屋の中のものを処分しないことには貸せないけど」






空、室…?
彩花はもう、ここにはいない…?






彩花は…、俺に何も言わず、北条のプロポーズを断り、何も言わずにいなくなってしまった。

それは、あの遠い雨の日のように
また、何も言わないまま、俺の前から姿を消した。










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