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昼想夜夢~君、想ふ~
第1章 過去と思い出
「結婚とかは考えてるのか?」
「そ、そ、そんな、まだですよっ!まだ付き合いだして半年ぐらいだし…っ!それに彼女はまだ24歳で、結婚はまだ早いと言うか…」

ほぅ、彼女は24歳なのか。
北条の3つ下か。
昔は27歳や24歳と言えば結婚適齢期と言われていたが、最近の若者はそんな事は気にしないらしいな。
まだまだ働きたい、遊びたいってやつか。

「彼女は結婚したいとは言ってないのか?」
「今のところそんな話は出てないッスね~」

昔と今とでは世の中も様変わりしている。
女性の社会進出も今では当たり前の時代だし、結婚というものに縛られたくない男女が増えた。
結婚適齢期なんて言葉、今では死語となって来ているし、家庭に収まる女性も少なくなって来た。

しかし、付き合って半年とは、まだまだ楽しい時期だな。

「彼女は何をしてるんだ?」
「派遣社員ッス。不動産会社で事務員してます」
「ふ~ん」
「って、もうすぐ休憩時間終わりますよ!早く戻らねぇと」

腕時計を見ながら北条が焦りだした。
あー、もうそんな時間か。
たまには北条に邪魔されずゆっくりと一服したいものだ。
俺はいつも持参している携帯灰皿でタバコを揉み消した。
北条も、電子タバコを胸ポケットにしまいこんだ。

「小川さんも電子タバコにすればいいのに。便利ッスよ?」
「いや、俺はもうしばらく紙タバコでいいよ」



こんな晴天の下、俺と北条はいつもこうして休憩時間を過ごしている。
この時、俺は北条の事をただの後輩としか思っていなかった。



昼想夜夢。
お前に会うまでは…。





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