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アブノーマルごっこ
第14章 嫉妬夫とバーベキュー
でも、そんなこと何も気にしていない素振りをしなければいけないと思った。

「分かった。じゃ、行ってくるね。」

「あと、少し先の自販機でアイスコーヒー買ってきて欲しいんだけど…」

「はいはい。じゃ、行ってくるね。」

「優しい奥さんだな」
そう冷やかされて、主人は嬉しそうに笑っていた。


シャワーボックスに向かう。
二つしかないボックスのどちらを小笠原さんが使っているか…もし主人の方なら、先にコーヒーを買いに行こう。

シャワーのある小屋に入ると、小笠原さんが立っていた。私のことを待っていたようにも見えた。
「あの…大丈夫ですか?」

「え…っと…はい。大丈夫です。主人の時計を探しに…」

「安田にさっき…その…秘密にしてやるから、ここで奥さんを…」

「私?」

「奥さんを…抱いてくれ、と…」

あの人は何を考えてるんだろう…
何がしたいんだろう…

「私…そんなの…困ります…」

「もちろんです!」

「ちょっと主人と話してきます。」

小屋から出ようとすると、そこに主人が立っていた。
「カナコー。まだ始めてないのか?小笠原」

「ちょっと変なこと言うのはやめて、飲みすぎた?もう寝よう?ね。」

「興奮したんだよ、カナコが他のやつとしてるの見てさ。だから、また見たいんだよー。」

「やめてよ!」

「分かったよ、じゃ、せめてキスしてみてよ。」

「おい、安田…」

「カナコ、子どもたちにバラすよ?」

「そんなこと…何を言ってるの?」
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