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アブノーマルごっこ
第10章 パートさんとバイトくん
『いらっしゃいませ、Honeysへようこそ!』


家計の足しになればと始めた、ファミレスの深夜のパート。私の教育係は、大学生の若い男の子だった。どう考えてもひと回りくらい年下だけど、先輩だし…と敬語で話してる。

「高野さん、すみません…」

「はい?」

「このオレンジのカットって、6等分ですか?8等分ですか?」

「あぁ、それは8ですね。分からなかったら、このファイル見ると、なんでも載ってますよ。ここにあるんで上村さん入るときは、出しとくようにしたらいいんじゃないですか?」


深夜の2時を回った時、お客さんが一人だけになった。
「こんな時…何してればいいんですかねぇ💧」

「ま、ある程度作業が済んでたらイス持ってきて座っちゃってますよ、俺は。」

「えぇー!でもカメラ有りますよね?」

「この辺りは死角なんですよ。」

「なるほどー、有り難い情報です。」




一週間たって、一緒に朝まで働いてるうちに、お互い慣れてきて色々と話すことも増えてきた。

「上村さんって、年齢より若く見えますよね?いくつだか知らないけど。」

「ちなみに、高野くんのお母さんっていくつなんですか?」

「40かな?」

「お母さんよりかは若いかな、ギリギリ」

「ギリギリ?!まじ?俺、全然上村さんいけますよ。」

「いけますって…?でも、お世辞でも嬉しいです。」

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