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恋に落ちる時
第6章 丸の内の彼 -3-
ゆか「わぁ、お洒落なお部屋です。」

アキラ「ありがとう、忙しくてさ、オヤジ以外の人が来たのはじめてだよ。」

ゆか「あれ?お母様は?」

アキラ「あぁ、もう亡くしててね。」

ゆか「そうなんですね、スミマセン。」

アキラ「だいぶ前の事だから全然気にしなくていいよ。俺も一緒にワイン頂いていいかな?」

ゆか「勿論です、お仕事お疲れ様でした。」

アキラ「ゆかちゃんも一週間お疲れ様。」

そういって二人のグラスが近づいた。

アキラ「今日のどうだった?気に入ってくれたのあった?」

ゆか「全部おいしかったですけど、白身魚のジュレがのったやつ、あれ好きです。」

アキラ「そう?良かった。じゃぁ次に出すのはそれにしよっかな。」

ゆか「え!もう決めちゃうんですか、待って、もう一回ちゃんと考えてみます。」

アキラ「あはは、いいんだよ。」

ゆか「でも、全部美味しかったから…そんな簡単に絞っていいのかなって。」

アキラ「いいの、それをあげてくれたら嬉しいなって思ってたやつなんだ。」

ゆか「本当ですか~(TT)?」

アキラ「はは、可愛いな。ほら、これも食べてみてよ。」

アキラさんが出してくれたつまみを口に運びながら会話を楽しむ。

そんなこんなで会話も弾んで、お酒も進んだ。

────────────────────

アキラ「顔、真っ赤だな。飲ませ過ぎないように気を付けてたつもりだったんだけど、大丈夫?」

ゆか「大丈夫です~、今週寝不足だったからかちょっと回りが早いのかもです。そろそろ帰らないと、眠くなってきちゃいました。」

アキラ「そっか─…明日早いの?」

ゆか「いえ、休みなんで大丈夫です。」

アキラ「…じゃぁ、家でそのまま休んでけば?」

ゆか「え?」

アキラさんの男性的な面をはじめて見た気がした。
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