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~菊タブー~ お妃候補はドレサージュに陶酔し…
第6章 新たな罠、…黒幕は意外なところに
郁子は交渉の場で徹底的に叱責を受け、面罵され、公の場で米国交渉役から生き恥をかかされることとなる。しかも、さらなる追い打ちとして、すでにその内容が、米国の大手新聞をはじめとしたメディアにリークまでされてしまっていたことを聞かされ、郁子は言い逃れのできない状況下で、いたぶられたわけだ。
「このジャップが!!」
「Stupid little daughter(愚かな小娘)!!」
さすがの郁子もうつむき、黒いヒールに涙が零れ落ちる。口惜しさと自分の甘さを痛感する美人外交官。
「まあ、待ち給え」
先方の白銀が似合う紳士、ダグラスが温厚に口を開く。
「これは国同士の折衝だ。この若く美しいレディを罵倒する場ではなかろう? しかし、かといって、この外交官が、我が国に不利益をもたらさんとしたことは間違いない…」
口調こそは柔らかいが、涙に潤んだ瞳でその声の主を見つめる郁子は、その男の智者ぶり、いや卑劣な交渉者、もといあの組織の者たちと同じ匂いを感じ取り、背筋を強張らせた。
「ミス・オコシとは『別の交渉』をしたいと思うのだが、どうかね、諸君?」
聡明な郁子は、この交渉さえ自分を従順なる雌奴隷に仕立て上げるための策略ではないか、と疑念を抱いたが時すでに遅かった―――。
「このジャップが!!」
「Stupid little daughter(愚かな小娘)!!」
さすがの郁子もうつむき、黒いヒールに涙が零れ落ちる。口惜しさと自分の甘さを痛感する美人外交官。
「まあ、待ち給え」
先方の白銀が似合う紳士、ダグラスが温厚に口を開く。
「これは国同士の折衝だ。この若く美しいレディを罵倒する場ではなかろう? しかし、かといって、この外交官が、我が国に不利益をもたらさんとしたことは間違いない…」
口調こそは柔らかいが、涙に潤んだ瞳でその声の主を見つめる郁子は、その男の智者ぶり、いや卑劣な交渉者、もといあの組織の者たちと同じ匂いを感じ取り、背筋を強張らせた。
「ミス・オコシとは『別の交渉』をしたいと思うのだが、どうかね、諸君?」
聡明な郁子は、この交渉さえ自分を従順なる雌奴隷に仕立て上げるための策略ではないか、と疑念を抱いたが時すでに遅かった―――。