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真面目で優秀な、憧れの生徒会長はDQNに弄ばれます
第1章 鮎美と雅明
(……やば!)
それもそのはずだ。
僕と八木さんに、これまで接点なんてほとんどなかった。
それなのに、小学校低学年の頃の、表彰のことを覚えていて、それだけならまだしもこの状況でパッと言葉に出す事が出来る。
……妙に思われても仕方ない。
それも、頭の良い八木さんだ。
せっかく話が出来たのに、気持ち悪い奴だと思われて、これで何もかも終わってしまうんだろうか……。
「私持ってるよ?」
「え?」
ところが、そんな僕の不安とは裏腹に、コロッと表情の変わった八木さんがまた言葉を掛けてくる。
「ペン」
「……」
「漫画を描くペン持ってるから、良かったら今度持ってくるね」
「え?」
八木さんどころか、女子とすら壊滅的に会話したことのない僕だ。
もう限界だった。
消え入りそうな声で相槌を打つしか、もう出来なかった。
八木さんは、そう言いながら目線は自分のカバンに向き、教科書とノートを綺麗に入れている。
そして。
「それじゃあ」
と言葉を残し、スタスタと教室を後にしてしまった。
(一緒に帰ろう……帰り道途中まで一緒だし……)
と、心の中に思い浮かべたが、八木さんがパッと振り向き
「え?なんで私の家知ってるの?」
と今度こそ怪訝な顔をする未来が見えたので、僕はグッと思い留まった。
……とは言え、本当に帰り道の方向は同じ。
ちょっと離れた距離で、気まずく歩くのも嫌なので、八木さんが去った教室で一人、少し時間を潰してから、僕も帰路についた。
それもそのはずだ。
僕と八木さんに、これまで接点なんてほとんどなかった。
それなのに、小学校低学年の頃の、表彰のことを覚えていて、それだけならまだしもこの状況でパッと言葉に出す事が出来る。
……妙に思われても仕方ない。
それも、頭の良い八木さんだ。
せっかく話が出来たのに、気持ち悪い奴だと思われて、これで何もかも終わってしまうんだろうか……。
「私持ってるよ?」
「え?」
ところが、そんな僕の不安とは裏腹に、コロッと表情の変わった八木さんがまた言葉を掛けてくる。
「ペン」
「……」
「漫画を描くペン持ってるから、良かったら今度持ってくるね」
「え?」
八木さんどころか、女子とすら壊滅的に会話したことのない僕だ。
もう限界だった。
消え入りそうな声で相槌を打つしか、もう出来なかった。
八木さんは、そう言いながら目線は自分のカバンに向き、教科書とノートを綺麗に入れている。
そして。
「それじゃあ」
と言葉を残し、スタスタと教室を後にしてしまった。
(一緒に帰ろう……帰り道途中まで一緒だし……)
と、心の中に思い浮かべたが、八木さんがパッと振り向き
「え?なんで私の家知ってるの?」
と今度こそ怪訝な顔をする未来が見えたので、僕はグッと思い留まった。
……とは言え、本当に帰り道の方向は同じ。
ちょっと離れた距離で、気まずく歩くのも嫌なので、八木さんが去った教室で一人、少し時間を潰してから、僕も帰路についた。