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続・独占欲に捕らわれて
第4章 綻び
翌朝、千聖は目覚ましが鳴る10分前に目を覚ます。ベッドから降りて躯を伸ばすと、昨日より躯が軽くなっていることに気づいた。
「結局薬を飲むこともなかったし、紅玲のおかげね」
千聖は昨晩のことを思い出し、頬を緩ませる。

「はやく夜にならないかしら?」
上機嫌に言いながら台所へ行くと、朝食と弁当を作る。
(今日はどこかで呑んでから帰ろうかしら? そうだ、優奈を誘おう。まだ傷心中だろうし)
仕事終わりに呑むことを考えると、とたんに楽しくなる。千聖は今までのような寂しさを感じることなく、ひとりの朝食を終わらせて出勤した。

「おはようございます、綾瀬先輩。今日は顔色いいですね」
通勤途中、瑞希が千聖に声をかけてくる。
「おはよう、瑞希ちゃん。昨日はよく眠れたの。美幸ちゃんに感謝ね」
本当は薬など飲んでいなかったが、紅玲絡みの話をすると面倒だと思った千聖はとっさに誤魔化した。

「先輩が元気になったみたいでよかったです」
「心配してくれてありがとう」
瑞希に笑いかけると、彼女の後ろに見覚えのある人物が通った気がした。思わず立ち止まって振り返るが、後ろ姿だけで判別出来ない。

「綾瀬先輩? どうしました?」
瑞希は千聖の顔を覗き込む。
「あ、いえ……。知り合いに似てる人がいたのよ。……本当にその人かどうか分からないけど」
「え、どの人ですか? イケメンですか? 美女ですか?」
瑞希は目を輝かせて、後ろを見る。

「イケメンだけど、後ろ姿じゃ分からないわ。それに悪い男だもの。そんなことより、はやく行くわよ」
千聖は苦笑しながら言うと、颯爽と歩き出す。
「もう、待ってくださいよ」
瑞希はカバンを持ち直すと、千聖の後を追いかけた。

会社に着くと、千聖は美幸を見つける。
「おはよう、美幸ちゃん。薬教えてくれてありがとう。おかげでよく眠れたわ」
「おはようございます。回復したみたいでよかったです」
美幸は安堵の笑みを浮かべる。
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