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続・独占欲に捕らわれて
第4章 綻び
1階で入ったことのない部屋は、2部屋ある。千聖は玄関に近い部屋から入ることにした。解錠して部屋に入ると、金庫がズラリと並んでいる。
「これこそ地下室にあるべきものじゃないの?」
千聖は失笑しながら、部屋を出た。
リビングに近い部屋に入ると、中央には赤いロッキングチェアが置いてある。壁は本棚で隠れ、窓の半分さえ本棚が遮り、部屋は薄暗い。本棚の中はどれもびっしりと本が詰まっている。
「すごい量……。紅玲はこれを、全部読んだのかしら?」
凄まじい本の量に目眩を覚え、部屋を出ると、2階へ行く。
「こっちも、入ったことないのって2部屋くらいなのよねぇ……」
部屋数は2階の方が多いが、日当たりのいい部屋は下着泥棒対策として洗濯部屋にされたり、紅玲の趣味も兼ねた千聖の衣装部屋にされたりと、使われている部屋が多い。
2階で入ったことの無い部屋と言えば、道路側にある部屋と紅玲の書斎くらいだ。
千聖はまず、道路側の部屋に入った。そこは1階にあった部屋同様、たくさんの金庫がズラリと並んでいる。
「本当に、何考えてるのかしら……?」
千聖は小首を傾げると、金庫部屋から出た。
「いよいよ大本命ね……」
紅玲の書斎の前に立つと、千聖は息を呑む。ほかの部屋は紅玲が出入りするのもほとんど見たことなかったからか、特に深く考えることなく開けたが、この部屋だけは特別だ。
千聖は意を決して赤いリボンの鍵を差し込み、ゆっくりと回した。
ドアを開けて真っ先に飛び込んできたのは、壁一面に貼られた千聖の写真。よく見ると、どれも紅玲と一緒にいた時に撮られたと思われるものばかりだ。
「いつの間にこんなに撮ったのよ……」
写真に驚きながらも部屋を見回すと、職業柄か、背中合わせになった本棚が2列もある。写真や机がない壁にも本棚が設置されている。背表紙を見ると小説はほとんどなく、歴史や職業、国などの資料本ばかりだ。
「これこそ地下室にあるべきものじゃないの?」
千聖は失笑しながら、部屋を出た。
リビングに近い部屋に入ると、中央には赤いロッキングチェアが置いてある。壁は本棚で隠れ、窓の半分さえ本棚が遮り、部屋は薄暗い。本棚の中はどれもびっしりと本が詰まっている。
「すごい量……。紅玲はこれを、全部読んだのかしら?」
凄まじい本の量に目眩を覚え、部屋を出ると、2階へ行く。
「こっちも、入ったことないのって2部屋くらいなのよねぇ……」
部屋数は2階の方が多いが、日当たりのいい部屋は下着泥棒対策として洗濯部屋にされたり、紅玲の趣味も兼ねた千聖の衣装部屋にされたりと、使われている部屋が多い。
2階で入ったことの無い部屋と言えば、道路側にある部屋と紅玲の書斎くらいだ。
千聖はまず、道路側の部屋に入った。そこは1階にあった部屋同様、たくさんの金庫がズラリと並んでいる。
「本当に、何考えてるのかしら……?」
千聖は小首を傾げると、金庫部屋から出た。
「いよいよ大本命ね……」
紅玲の書斎の前に立つと、千聖は息を呑む。ほかの部屋は紅玲が出入りするのもほとんど見たことなかったからか、特に深く考えることなく開けたが、この部屋だけは特別だ。
千聖は意を決して赤いリボンの鍵を差し込み、ゆっくりと回した。
ドアを開けて真っ先に飛び込んできたのは、壁一面に貼られた千聖の写真。よく見ると、どれも紅玲と一緒にいた時に撮られたと思われるものばかりだ。
「いつの間にこんなに撮ったのよ……」
写真に驚きながらも部屋を見回すと、職業柄か、背中合わせになった本棚が2列もある。写真や机がない壁にも本棚が設置されている。背表紙を見ると小説はほとんどなく、歴史や職業、国などの資料本ばかりだ。