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続・独占欲に捕らわれて
第1章 穏やかな朝
「それは大変だったねぇ……。で、優奈ちゃんの恋が凄まじかったって?」
「高校時代、優奈がずっと付き合ってた同級生がいたのよ。すごく仲が良かったけど、彼氏が絡むと感情の起伏が激しくなっててね……。昼休みに私が彼氏くんに呼ばれて行ったら、購買のパンが私の顔にクリーンヒットしたわ……」
「なにそれ……」
紅玲はしかめっ面で千聖の頬に触れる。

「私も未だに分からないわよ……。嫉妬したらしいんだけど、彼氏くんが私を呼んだのは、私が先生に貸してた本を預かったからだったのよね……」
「高校時代のチサちゃんも、さぞかし可愛かったんだろうなぁ……。にしても、本当に災難だったね……」
「えぇ、本当に。他にも痴話喧嘩に巻き込まれたりしてたわ……」
やれやれと肩をすくめながら、ため息をついた。

「よくそれで優奈ちゃんが誘った合コンに来ようと思ったね」
紅玲は不思議顔で言った。
「お酒に釣られたのよ。来てくれたら、高い洋酒を買ってくれるって言うから……」
千聖が言うと、紅玲は吹き出した。
「ぷっ……、あっはは、お酒に釣られるなんて、チサちゃんらしいね」
「いくら優奈の頼みでも、タダであんなところ行かないわよ」
笑われて拗ねた千聖は、そう言ってそっぽを向く。

「もう、拗ねないでよ。可愛い顔見せて?」
「別に、拗ねてないわ」
千聖が紅玲を見上げながら言うと、紅玲は千聖の頬にキスをした。
「拗ねてないならよかった。愛してるよ、チサちゃん」
「よくもまぁ、つらつらと言葉が出てくること」
千聖は頬をほんのり染めながら、乱雑に言う。

「本心なんだから、仕方ないでしょ?」
「まったく、あなたには叶わないわ……」
千聖は困ったように笑うと、紅茶を飲み干した。
ふたりは昼過ぎまでこうしてお互いの話をすると、少し遅めの昼食を取った。午後になると紅玲は千聖を抱えて、寝室に行く。
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