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乳母…めのと
第5章 乳母…5
あおいは佐野のマンションに向かっていた。
マンションを出てからひと月が経っていた。
今までの御礼と隼人の顔をどうしても見たかったからだ。
隼人へのおもちゃを持って少しワクワクしながら出掛けたのだった。
マンションに着くと、お手伝いさんがインターホン越しに出た。
60代から70代の女性だった。
佐野は出掛けているとの事だった。
隼人の事を尋ねると、居ないと言った。あおいは佐野と出掛けているのかと思い、お土産を置いて行こうとすると
「奥様の実家に預けられました。」
とサラリと言った。
「どうして?…ですか?」
あおいが尋ねたが、お手伝いの女性は理由を言わなかった。
あおいはマンションを出るとすぐに佐野に電話をしたが、電話には出なかった。
『ご無沙汰しています。』
『今、マンションにお邪魔しましたが、隼人君に会えなくて残念でした。』
ラインを送ったが返信はすぐに来なかった。
確かに仕事が忙しいのかも知れない。でもこの間までやっていけていたのに。また、奥さんの実家が隼人を迎えに来て渡してしまったのかも…。
暫くすると返信が来た。
『要らないから嫁の実家にやった。」
「要らない?」
あおいはその言葉が信じられ無かった。
思わずすぐに電話をした。
佐野はすぐに電話に出た。
あおいは挨拶もせずに
「要らないってどういう事?」
思わず大きな声が出ていた。一斉に近くにいた人たちがあおいに視線を向けた。
「最初から渡したら良かったんだ。」
力無い声だった。
「そんな…」
「他人の君に何かを言われる筋合いもないし、無責任な言葉に耳を貸す必要もないだろ?」
冷たい低い声だった。
「忙しいんだ。じやぁ、失礼するよ。」
そう言い佐野は電話を切った。
マンションを出てからひと月が経っていた。
今までの御礼と隼人の顔をどうしても見たかったからだ。
隼人へのおもちゃを持って少しワクワクしながら出掛けたのだった。
マンションに着くと、お手伝いさんがインターホン越しに出た。
60代から70代の女性だった。
佐野は出掛けているとの事だった。
隼人の事を尋ねると、居ないと言った。あおいは佐野と出掛けているのかと思い、お土産を置いて行こうとすると
「奥様の実家に預けられました。」
とサラリと言った。
「どうして?…ですか?」
あおいが尋ねたが、お手伝いの女性は理由を言わなかった。
あおいはマンションを出るとすぐに佐野に電話をしたが、電話には出なかった。
『ご無沙汰しています。』
『今、マンションにお邪魔しましたが、隼人君に会えなくて残念でした。』
ラインを送ったが返信はすぐに来なかった。
確かに仕事が忙しいのかも知れない。でもこの間までやっていけていたのに。また、奥さんの実家が隼人を迎えに来て渡してしまったのかも…。
暫くすると返信が来た。
『要らないから嫁の実家にやった。」
「要らない?」
あおいはその言葉が信じられ無かった。
思わずすぐに電話をした。
佐野はすぐに電話に出た。
あおいは挨拶もせずに
「要らないってどういう事?」
思わず大きな声が出ていた。一斉に近くにいた人たちがあおいに視線を向けた。
「最初から渡したら良かったんだ。」
力無い声だった。
「そんな…」
「他人の君に何かを言われる筋合いもないし、無責任な言葉に耳を貸す必要もないだろ?」
冷たい低い声だった。
「忙しいんだ。じやぁ、失礼するよ。」
そう言い佐野は電話を切った。