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乳母…めのと
第2章 乳母…2
佐野は既にデパートの前で待っていた。
ベビーカーを引くあおいの姿を見ると手を振った。
あおいは佐野のいる方向に向かうと、
「身体は大丈夫だった?」
あおいを心配した言葉だった。
あおいの胸はキュンとし、
「はい。順調に回復していますって言われました。子宮もかなり元に戻ってきていますって。佐野さんのおかげです。」
嬉しそうにあおいが言うと
「俺の?」
「佐野さんが、私のおっぱいを吸ってくれていて、子宮がその度に収縮して…」
あおいは自分の話した言葉に気付くと顔を赤らめた。
「そ…そうか…役に立って良かったよ。」
佐野も顔を赤らめていた。

二人はデパートの子供服売り場に行くと、隼人の洋服を見ていた。
佐野の妻が生前に洋服の準備はしていたが、不足していた物や、大きさが間に合わなかった物が多かったのだ。

会計待ちをしている時に
「僕、いいわね〜、パパとママとお買い物なのね。」
隣のレジで会計をしていた年配の婦人が隼人に話しかけた。
二人は苦笑いをしながら顔を見合わせていた。

会計を終えた佐野とあおいは女性に会釈をし、売り場から離れた。

「私の若い頃は父親も一緒に子供服を買いになんて無くて…いいわね。今の若い人は…仲が良くて…」
婦人は店員に話しかけているのが聞こえた。
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