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乳母…めのと
第2章 乳母…2
「警察には?犯人の心当たりは?」
マンションに着き、隼人を寝かしつけると佐野は歩道橋の件をあおいに尋ねた。

「警察は、突き落とされたと言っても信じて貰えず…犯人の心当たりは…」
あおいは、今までの経緯を佐野に話した。

「本当、馬鹿ですよね。奥さんとは離婚前提に別居中だなんて言われて、信じていて…妊娠したら、堕ろせと言われ、拒否をすると捨てられ、そして会社をクビにさせられ…彼しか思い浮かばなくて…証拠なんて無いし…」
あおいの目からは涙が溢れていた。
「あんなに好きだった人が、こんなにも憎い人になるんですね。」

「彼が犯人では無くても酷いな…妊娠した女を棄てる男なんて沢山いるが、会社をでっち上げの嘘でクビなんて…」

「すみません。わたしごとで…」
涙を手の甲で拭いた。

「とりあえず犯人を探そう…」

「え?」

「俺も一緒に探すよ。」

「でも…」

「あおいさんは家族同然だから。」

「あ…ありがとうございます。」

「まず…そうだな…探偵に頼むか…」

「探偵?」

「素人じゃ難しいよ。テレビドラマなら自分たちで探すんだろうけど。俺は仕事もあるし、あおいさんは隼人の面倒も見ないとならないしね。」

「探偵なんて…料金は高いでしょ?」

「知り合いに頼むよ。それから弁護士に相談だ。連絡してみるよ。」
佐野は仕事部屋に行った。


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