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第4章 乳母…4

川口は暫くタブレット端末を見ていたが、調べるために持って帰っていった。

あおいは動揺していた。
押されたのは隼人を狙って？
私を狙って？
隼人を抱き締めながら、いろんな事を考えていた。

川口はとりあえず暫くこのマンションから出た方がいいとアドバイスをし、自分のところに来ればいいと言ってくれたのだった。

隼人に危害を加えられるのだけは避けたいと思ったあおいは、このマンションから出る決心をしたのだった。

そして、身の回りの物をまとめ佐野の帰りを待っていた。

佐野は夜遅くに帰って来た。
佐野からは香水の匂いがかすかにしていて、上機嫌だった。

「佐野さん…あの…お話しが…」

「あ、そうだったな。俺もあるから…先に…」

「あの…ここを…ここを辞めさせていただきたくて…」

突然の言葉に佐野は驚きながら
「え？やめる？出て…いく？何故？」

「すみません。私の一方的な…考えで…」

「え？ここを出てどこに？」

「川口さんのところで…」

「川口？…ああ、川口か…そうか…」

「急ですみません。シッターさんの都合がつくまでは…」

「あ、大丈夫。朝、連絡してみるよ。で、いつ出て行くの？」

「早い方がいいんですが…」

「そうか。了解しました。今までありがとうございました。明日給料を精算します。」

佐野の目は、あの優しい輝きはなくなり、暗く沈んだ目になっていた。