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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第3章 第一話【天つみ空に】 其の参
本来なら、幾らお逸の側仕えとはいえ、おみねから清五郎に声をかけることさえ、はばかられることだ。
しかし、清五郎はおみねの無礼にも嫌な顔をせず、穏やかに頷いた。
「ああ、そうだったね。確か、おみねという名だった」
おみねは膝の前で両手を合わせて、しきりに揉んでいる。何か言いたいことがあるに相違ない。おみねがつと顔を上げ、清五郎を見た。
「実は、折り入ってお話がございます」
「話―?」