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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第3章 第一話【天つみ空に】 其の参
望めば何でも惜しげもなく与えられ、何もすることもなしに無為に過ぎてゆく日々。それで、本当に生きているのかと問いたくなるような、怠惰な、空虚な毎日。時間だけがただ、お逸の傍を駆け足で通り過ぎてゆく。
このままで良いのか。こんな生き方を自分はしたかったのか。自分で自分に問いかけてみる。
そんな時、一人の男の貌を眼裏に切なく甦らせる。―真吉だった。真吉の屈託ない笑顔が幾度も瞼に浮かび、その度に、心にパッと明るい花が咲いたような、花の蕾が膨らんでゆくようなほっこりした気持ちになれる。
このままで良いのか。こんな生き方を自分はしたかったのか。自分で自分に問いかけてみる。
そんな時、一人の男の貌を眼裏に切なく甦らせる。―真吉だった。真吉の屈託ない笑顔が幾度も瞼に浮かび、その度に、心にパッと明るい花が咲いたような、花の蕾が膨らんでゆくようなほっこりした気持ちになれる。