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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第5章 第二話【春の日】其の壱
どんなに救われない器量の女でも、磨けばそれなりにはなるし、どこかに一つくらいは男を惹き付けるものがあるはずというのが儂の信条だし、事実、そう思って花(う)乃(ち)屋の妓(こ)らには接してきたつもりだ。その儂が、あのたどんは駄目だと思った」
「じゃあ、旦那、やはり、あの娘は見込みがないってことじゃないですか」
おしがが我が意を得たりと直截に口にすると、甚佐は片頬を歪めた。どうやら、これが考え事に耽るときの癖らしい。
「じゃあ、旦那、やはり、あの娘は見込みがないってことじゃないですか」
おしがが我が意を得たりと直截に口にすると、甚佐は片頬を歪めた。どうやら、これが考え事に耽るときの癖らしい。