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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第6章 第二話【春の日】其の弐 
 言葉が、想いが溢れてうまくまとまらない。お逸は思わず溢れそうになる涙をこえらながら、真吉を見上げた。
「逢いたかった」
 ただ、そのひと言だけをやっとの想いで伝える。本当はこんな短い素っ気ないひと言でこれまでの自分の想いなど伝えられやしないのに。
「俺も、逢いたかった」
 真吉がお逸の手を引いて、立ち上がらせる。
 とうとう耐えきれず、涙がポロリとひと粒零れた。
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