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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第6章 第二話【春の日】其の弐
その時、ふと、お逸の脳裡に先夜の朋輩たちの話が甦った。
―ねえ、聞いた? 東雲さんってば、昨日は真吉さんを自分の部屋に引き入れたんですって。
今、ここで真吉に東雲とのことを訊ねたい気持ちが湧き上がる。
「あの、真吉さん」
しかし、その後がうまく続かない。一体、どう問えば良いのか判らない。まさか、東雲花魁に呼ばれて、白昼から堂々と花魁の部屋に入り込んだんですって、とも言えるはずがない。