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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第6章 第二話【春の日】其の弐 
「真吉さん?」
 真吉が物想いに耽っていると、お逸が不安そうな表情で見つめていることに気付いた。
「ごめんな、つい、ボウとしちまって。折角、お前に逢えたっていうのに」
 わざと明るく言う真吉を、お逸がなおも気遣わしげに見つめている。
「疲れてるのかしら。大丈夫、仕事がきついんじゃないの」
 お逸の眼には何の疑いもない。ただ純粋に真吉の身を案じてくれているのだと判る。
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