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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第6章 第二話【春の日】其の弐
優しい娘だと、真吉は今更ながらにお逸の優しさに打たれた。どんな境遇に陥っても、けして挫けず、ひたむきに生きようとするお逸のその明るさ、健気さがいじらしいと思った。
「大丈夫だ。俺はこう見えても、丈夫なだけが取り柄なんだから」
真吉がおどけて胸を叩いてみせると、お逸が真顔で言う。
「そんなこと言って。うちのおとっつぁんもそうだったのよ。健康だけが取り柄だからって、無理ばかりして、それであんな風に突然倒れてしまったの」
「大丈夫だ。俺はこう見えても、丈夫なだけが取り柄なんだから」
真吉がおどけて胸を叩いてみせると、お逸が真顔で言う。
「そんなこと言って。うちのおとっつぁんもそうだったのよ。健康だけが取り柄だからって、無理ばかりして、それであんな風に突然倒れてしまったの」