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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第6章 第二話【春の日】其の弐
それが初音が振新となった頃から、次第に二人の関係が微妙に変化し始めた。当時、花乃屋で全盛を誇っていたのは緋(ひ)桜(おう)という花魁で、初音は禿時代、緋桜付きであった。廓の姐女郎と妹女郎は義理の姉妹関係にあり、姉は妹のすべての面倒を見―むろん、それは衣装代、食い扶持などの金銭的な面も含めている―、躾などをする反面、妹は姉に仕え、様々な雑用をこなす。
振新になって後、初音は緋桜花魁からは独り立ちしたが、振新は花魁が座敷に客を迎える際、その傍に控え、取り持ちなどを務める。振新の間はけして客は取らず、お清のままであることが定められていた。
振新になって後、初音は緋桜花魁からは独り立ちしたが、振新は花魁が座敷に客を迎える際、その傍に控え、取り持ちなどを務める。振新の間はけして客は取らず、お清のままであることが定められていた。