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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第9章 第三話 【白妙菊の約束】其の弐
 妙乃が泣いていたのだ。小さな肩を震わせ、必死で嗚咽をこらえていても、泣き声が低くお逸のいる場所にまで聞こえてくる。
 お逸は声をかけるにもかけられず、ただ息を呑んで見つめるしかない。妙乃は胸に何かを抱きしめて泣いているようだ。と、妙乃がふと弾かれたように顔を上げた。人の気配に気付いたのかもしれない。
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