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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第2章 第一話【天つみ空に】 其の弐

お逸は、真吉にあの恋歌について話してみたかったのだ。しかし、その理由は自分でも判らなかった。
翌日の昼下がり。
お逸は奥の自分に与えられた部屋で絵を描いていた。開け放した障子越しに中庭がひろがっている。ここの庭でも紅葉が今を盛りと燃えていた。お逸はひろげた画帳に、紅葉の樹を描いている。紅に染め上がった小さな葉が重なり合った向こうに、椿の樹が緑の葉をそよがせている。ふいにどこからともなしに飛んできた小鳥が紅葉の枝先に止まる。
翌日の昼下がり。
お逸は奥の自分に与えられた部屋で絵を描いていた。開け放した障子越しに中庭がひろがっている。ここの庭でも紅葉が今を盛りと燃えていた。お逸はひろげた画帳に、紅葉の樹を描いている。紅に染め上がった小さな葉が重なり合った向こうに、椿の樹が緑の葉をそよがせている。ふいにどこからともなしに飛んできた小鳥が紅葉の枝先に止まる。

