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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第2章 第一話【天つみ空に】 其の弐

「そう、なのですか」
お逸が愕いたように言うと、清五郎は笑いながら頷いた。
「私は商売が好きだ。親からゆずり受けたこの店の身代も大切だとは思っているが、仮に私に絵師になれるだけの技量があれば、とっくの昔に何もかも捨てて世間に飛び出していたろう」
どこから見ても、沈着で、商いにかけては怜悧だと評され、商売ひと筋に見える清五郎に、そのような情熱的というか、衝動的な面が潜んでいるとは信じられない。
お逸が愕いたように言うと、清五郎は笑いながら頷いた。
「私は商売が好きだ。親からゆずり受けたこの店の身代も大切だとは思っているが、仮に私に絵師になれるだけの技量があれば、とっくの昔に何もかも捨てて世間に飛び出していたろう」
どこから見ても、沈着で、商いにかけては怜悧だと評され、商売ひと筋に見える清五郎に、そのような情熱的というか、衝動的な面が潜んでいるとは信じられない。

