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夢で逢えたなら~後宮秘談【怨のものがたり~朝鮮王朝後宮譚改題
第3章 結ばれる
「―」
 じわりと、涙が滲む。
 後ろを振り向く勇気もなく所在なげに佇んでいると、ふいに後ろから手を掴まれた。
 掴んだ手のあまりの冷たさに、百花は〝キャッ〟と声を上げた。
 四月の初めとはいえ、まだ夜は冷える。冷えた夜気のせいなのか。
 百花は身体が小刻みに戦慄くのを感じた。
 震えながら振り返ると、王が無表情に立っていた。
「どうした、怖じ気づいたのか」
 言葉そのものは揶揄するような響きが込められていたものの、その静まり返った表情からは、およそ感情らしいものは窺えない。
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