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夢で逢えたなら~後宮秘談【怨のものがたり~朝鮮王朝後宮譚改題
第1章 恋の訪れ
 母は父には似つかわしくないほどの現実主義者で、もし母がそのとき家にいたなら、恐らく父の無謀を止めていただろう。
―お前さん、騙されたんだよ。
 母は顔色を変えて叫んだ。
 〝そんなはずはない〟と、父は珍しく負けずに言い返した。どんなときだって、母に逆らったことのない父が珍しくムキになっていた。
―あれは、間違いなく七(チル)福(ボク)だ。七福は十三の歳までこの隣に住んでいたんだから、今になって顔を見間違えるはずがない。
―だから、そのあんたの七福がとんでもない悪党になって戻ってきたとは考えもしないの?
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