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夜明けまでのセレナーデ
第1章 屋根裏部屋の約束
「…なのに…なんだよ…」
思わず独り言を漏らす。
「どうされましたか?薫様?」
傍らの泉に尋ねられ、慌てて首を振る。
…防空壕の中は薄暗く息を潜めているせいで、ついぼんやりと考えごとばかりしてしまう。
「なんでもない」
…まさか、泉だからといって打ち明けられることではない。
泉は自分と暁人との関係を、なんとなく薄々気づいているようなのだけれど…。
…けれど…此の期に及んで、暁人とはキス以上のことをしていない…だなんて…。
「…そんなこと言えるわけ、ないじゃないか…」
…暁人のバカ…。
薫は膝小僧に貌を埋めた。
思わず独り言を漏らす。
「どうされましたか?薫様?」
傍らの泉に尋ねられ、慌てて首を振る。
…防空壕の中は薄暗く息を潜めているせいで、ついぼんやりと考えごとばかりしてしまう。
「なんでもない」
…まさか、泉だからといって打ち明けられることではない。
泉は自分と暁人との関係を、なんとなく薄々気づいているようなのだけれど…。
…けれど…此の期に及んで、暁人とはキス以上のことをしていない…だなんて…。
「…そんなこと言えるわけ、ないじゃないか…」
…暁人のバカ…。
薫は膝小僧に貌を埋めた。