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夜明けまでのセレナーデ
第1章 屋根裏部屋の約束
「…うん。お母様は僕が帰るまで飯倉の屋敷を絶対に離れないと仰って聞かないんだ。
お母様のことだからずっと僕を想って寂しがると思うんだよ…。
お父様は最近、更にお忙しくて…難しい弁護や恵まれない人々のコミュニティに入って社会的な犯罪に巻き込まれた事件なんかに奔走していらして、あまり家に帰れないんだ。
もちろん家政婦もいるけれど、他のメイドや下僕も兵隊に取られたり、軍需工場の働き手に徴用されたりと、人少なになっている。
…だから時々でいいから、お母様の様子を見に行ってやってくれないか?
そうして、励まして差し上げて欲しいんだ。
…お母様は、心優しくて…それから心弱い方だから、それだけが心配なんだ」
痛ましそうに言う暁人に薫はにっと笑いかける。
「絢子小母様はうちの鬼ババとは仔ウサギとライオンくらいの違いがあるからな」
「おい!光小母様のことを何て言い方するんだ…!」
慌てる暁人に涼しい貌で続ける。
「うちの鬼ババは、例えB29が1000機飛んで来て爆弾を落としても絶対に死なないだろうけどな。
…いいよ。時々お貌を見に伺う」
「ありがとう、薫」
ほっとしたように微笑む暁人の首根っこをがっちりと掴む。
「な、何…?」
驚いた貌をする暁人を睨み付ける。
「何じゃないよ。
…しばらく会えないのに…小母様の話をしてさよならする気か⁈」
「…へ…?…あ…」
まだピンと来ない鈍い暁人を怒ったように引き寄せ、薫から噛み付くようにキスをする。
「…暁人のバカ…本当に…鈍感で…お人好しで…」
「…薫…」
乱暴なキスを、暁人が優しく包み込み…癒すように溶かしてゆく…。
「…好きだよ…薫…愛してる…」
「…んっ…は…あ…ん…っ…」
啄ばむような舌の愛撫が、次第に大胆な口づけに変わる様に、薫の身体から力が抜けてゆく。
熱く甘い蜜を唇から注ぎ込まれたかのような快楽に、酔いしれながら、薫は暁人に強くしがみついた。
「…愛してる…」
…だから…と、唇を離し…暁人を見つめる。
「絶対に生きて帰ってこい」
「…薫…!」
暁人が再び狂おしく唇を求める。
激しく貪りあい、与え合う…。
…時を惜しむように、二人は甘く熱い口づけを交わし合った…。
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