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夜明けまでのセレナーデ
第10章 僕の運命のひと
抱きつく薫を、暁人がその引き締まった胸で抱き留める。
「暁人!…暁人!」
泣きじゃくる薫を、強く強く抱き竦める。
「…薫…ごめん…。待たせてごめんね…」
「…馬鹿…二年も…二年も…どこにいたんだよ…」
拳で暁人の胸を叩く。
「…遅いよ…もう…!敗戦から二年だよ…。
…し、死んじゃったかと…おも…っ…」
自分の言葉にはっとして、暁人の肩を掴む。
食い入るように足元を見つめる。

「脚は…あるな…。
…何…ブーツ…?
ブーツ履いてる幽霊なんて…いないよな」

暁人はくすりと笑った。
「正真正銘生きてるよ。薫」
上質な黒革の手袋の手が、優しく薫の両頬を包み込む。
…そのままキスされそうになり…

「ちょっと待った!
いきなりキスするなんて虫が良すぎないか⁈
どうして今まで帰れなかったんだ⁈
連絡もなく!
どうやって帰ってきた?
…だって、お前が乗った軍艦は沈没…」
滑らかな革手袋の指が、薫の唇をそっと抑えた。

「…話せば長くなるよ…。
その前に…キスさせて…。
ずっと、薫のことだけを考えていたんだから…」
甘く囁かれ、貌を近づけられる。

「…馬鹿…。暁人…」
思い切り睨みつけ…けれど、薫の熱い思いも胸から滾るように溢れ出て我慢はできなかった。

暁人の首に両腕を絡め、強く引き寄せる。

「…それはこっちのセリフだ。
馬鹿暁人」

…そうして、恥じらいを込めて甘く囁いた。
「…お帰り。暁人…」

…愛している…。
震える愛の言葉は、そのまま暁人の熱い口づけに溶かされていったのだった…。
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