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夜明けまでのセレナーデ
第12章 夜明けまでのセレナーデ 〜epilogue〜
…長い長い…まるで遠い昔の異国のお伽話のような、暁人の話は終わった。
固唾を飲んで聞いていた一同に、暁人は微かに切ない笑みを浮かべた。

「…僕は彼らが密かに交流しているパナマ船籍の船に極秘で乗せてもらい、ベトナム経由で日本に帰ることができました。
…もっと驚いたことがあります。
乗り継いだ日本の船で、僕は海図を見せてもらいました。
…けれどそこには、あの海賊王の島などどこにも記されてはいませんでした。
驚いた僕は必死で船長に今までのいきさつやビセンテ…海賊王やエスメラルダ…ビセンテの部下たち…そしてあの怪しくも美しい城の話をしました。
しかしベテランの船長には、そんな海賊王や島など聴いたこともないときっぱりと言われました。
…それに…今この時代に、かつてヨーロッパの大航海時代のような権力や富を誇る海賊王などどこにも存在するはずがないと…」
「え?…それって…」
薫は思わず声を上げた。
暁人が優しく薫を見つめ、頷いた。

「…信じられないかもしれませんね。
僕ですら、今では長い夢を見ていたのではないかと思うときがあります。
…もしくは、遭難した際に何らかの弾みで時の狭間に放り出され…その僕を、あの心優しい人魚姫が助けてくれたのではないか…と」

…そう締め括ると、暁人はその時の彼方にいる幻の美しい人魚姫に感謝と…仄かな思慕の念を送るかのように、そっと瞼を閉じたのだった。
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