この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
夜明けまでのセレナーデ
第12章 夜明けまでのセレナーデ 〜epilogue〜
…何が人魚姫だ。
何がタイムスリップだ。
その日の深夜…薫は屋根裏部屋で一人、憤慨していた。
足元ではカイザーが眠そうに薫を見上げ、そのまま呑気に眠りにつこうとしている。
「寝るなよ、カイザー。
僕の話を聞いてくれよ」
乾き始めている鼻先を突いても、カイザーはちらりと薫を見遣り…大きな欠伸をひとつすると愛用のクッションに顔を埋め、眠ってしまった。
「薄情もの!お前だけは僕の味方なんじゃないのか?」
薫は毒づく。
ため息を吐くと、傍らのベッドにわざと乱暴に寝転がる。
…何が人魚姫だよ…。
先ほどの暁人の切なげな表情に、胸がちくりと痛んだ。
…と、扉から密やかなノックの音が響く…。
「…薫…?もう寝た…?」
密やかな…落ち着いた優しい声…。
…瞬間的に、飛び起きる。
…暁人…!
何がタイムスリップだ。
その日の深夜…薫は屋根裏部屋で一人、憤慨していた。
足元ではカイザーが眠そうに薫を見上げ、そのまま呑気に眠りにつこうとしている。
「寝るなよ、カイザー。
僕の話を聞いてくれよ」
乾き始めている鼻先を突いても、カイザーはちらりと薫を見遣り…大きな欠伸をひとつすると愛用のクッションに顔を埋め、眠ってしまった。
「薄情もの!お前だけは僕の味方なんじゃないのか?」
薫は毒づく。
ため息を吐くと、傍らのベッドにわざと乱暴に寝転がる。
…何が人魚姫だよ…。
先ほどの暁人の切なげな表情に、胸がちくりと痛んだ。
…と、扉から密やかなノックの音が響く…。
「…薫…?もう寝た…?」
密やかな…落ち着いた優しい声…。
…瞬間的に、飛び起きる。
…暁人…!