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夜明けまでのセレナーデ
第3章 Tango Noir 〜禁じられたお伽話〜
「…嬉しいよ…。素直に快楽を口にしてくれて…。
…ああ、きみはなんと美しいのだろう…。
…十市くん、よく見給え。
きみの愛するひとがほかの男の手により婀娜めいた淫らな姿を開花させる様を…」
「…いや…だ…。
十市…見ないで…」
紳一郎は子どものようにいやいやを繰り返す。
「…見せてあげなくてはいけないよ…。
私たち三人は決して秘密があってはならないのだ。
私が紳一郎くんと愛し合うときは必ず三人で…。
それが十市くんとの約束なのだ…。
…だから、きみが美しく乱れている姿を、十市くんに見てもらわなくてはならない」
…そう言いながら、青山はわざと淫靡な水音がするように抽送を再開した。

「…ああ…はあ…っ…そこ…や…あ…んんっ…」
感じやすい淫肉の奥を攻められ、紳一郎は濡れた声を漏らす。
…愛する十市が背後から熱い眼差しで紳一郎の痴態を凝視しているのが痛いほどに分かる…。
それなのに…
自分は青山が与える快楽に咽び泣き、悦んでいるのだ。
…なんて浅ましい…!
まるで…娼婦だ…。
まるでこの様は…

…誰よりも似たくなかったあるひとの面影が鮮明に脳裏に過ぎる。

「…や…あ…こんな…こんなの…母様みたいだ…いや…だ…いやだ…いや…ああ…」
身悶え、啜り哭く紳一郎を、十市が抱き締める。
「…坊ちゃん…!」
…母様だけには…あのひとだけにはなりたくなかったのに…!

淫らな母…。
父と結婚する前に、先代の森番であった十市の義父と関係し、紳一郎を身籠った。
その醜聞を隠すために、父を婿養子に迎えたのだ。
…父は莫大な金で買われた哀れな犠牲者だった。
すべてを分かっていて、父は紳一郎を可愛がってくれた。
…そんな父を愛することもなく、母は次から次へと男を変え、多情な愛欲の日々を送った…。

…淫らな母…男なら誰でも構わないのだ。
自分を満たしてくれる相手ならば…。

そんな母に…今の自分は生き写しのようではないか…。
母に似た貌で、恋人以外の男と繋がり…快楽を得て…。
…認めたくはなかったのに…
自分の身体には、淫乱な母と同じ血が流れていることを…!

「…いいや、違うよ」
紳一郎は青山の穏やかな声に、はっと瞳を上げた。

「…きみは蘭子さんとは違う。
きみはきみだ。
何も恐れることはない。
あるがままの自分をただ受け入れれば良いのだよ」

…青山は、温かな眼差しで微笑った。


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