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《リベンジ☆ラブ…恋になるまで…》
第8章 新たなる人物…
『……真面目で凝り固まった人とか、そんな言われ方されたら嫌だと思いませんか?』
頬に伝う涙を拭おうともせず反論する綾香はよほど真面目で凝り固まった人という言葉が心に突き刺さったようだ。

『悔しいの?笑える〜』
春樹はケラケラ笑った。

笑うなんてっ!
宮川くんには何を言っても通じないかもしれない…
この人には関わらない方がいいっ…

『し、失礼します』
彼女はこの場を早く逃れたいと回れ右し校舎の方に歩き始めた。

だが、後ろからの春樹のハグという引き留めに綾香の歩は止まる。

『…ごめん、先輩』
心からの謝罪ではなくそっぽを向いたまま今にも口笛を吹きそうな顔つきの春樹。
両肩にまわされる彼の腕に綾香はたじろいだ。

『…もうつきまとわないでください、あたしよりもっと宮川くんにふさわしい子がいると思うんです、だから…』

『クラスのみんなに受験の憂さばらししても警戒されるだけ、僕そんなバカじゃないから』

春樹の言う憂さばらしというのは男子女子との関わり合い、身体の交わりあいの事、入学早々女子達をそういう眼で視て獲物を喰うなど色眼鏡でクラスのみんなから女好きと思われたくないからだ。

『…なんであたしに?』

『兄さんの下僕なら僕の下僕なので』

『…離してくださいっ、あたしにも人権がありますからっ、宮川先輩の下僕になんてなった覚えもありませんっ…それから宮川くんの下僕にもなりませんっ』

なんて失礼な兄弟っっ!?
ひっぱたいてもいい?

『テキスト作ったり兄さんの下僕の証さ、だから僕もあんたの事下僕だと勘違いしちゃったり?嫌ならテキストなんか断れば良かったのにさ』

嫌ならテキストなんか断れば良かったのにさ?その言葉が綾香にはまた心にささる事になる。

嫌なら断れば良かったのに?
宮川先輩の威圧的口調であのとき断るタイミングなんてなかったような…
兄弟でも宮川くんの方が先輩よりちゃんと順序立てて話せば理解してくれるのかも…

だから僕もあんたの事下僕だと勘違い?
ううん、兄弟は兄弟、警戒心を保たなきゃ…

『あたしは誰の下僕でもありませんっ』
ため息をつきたい心境だったが先ほど泣き顔を見せた分毅然とした顔をするのが不自然ささえあり、次に何を言われるかという相手なだけに早く立ち去りたい。

『下僕でないとかソレいい加減聞きあきた、兄さんに言ってもいいのかな〜?』
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