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第5章 似ているから惹かれ合う

その夜、綾香は勉強に集中出来ない為３０分後教科書を閉じペッドに座り唯に電話をしていた。

『遥斗くんと仲良くしてる？』

『朝練見に来てるから知ってるでしょ、何かあった？勉強一筋の綾香がそういうのって珍しいもん』

『何か、、、って』

勉強一筋と言われ過去にクラスメートからの嫌味を思い出し気にするところだが綾香は親友の唯は裏表がなく悪気はないとわかる為に傷つかないのだ。

『毎朝テニス部の朝練見に来てるから綾香は中川くんが好きなんだと遥斗と噂してたの、フフ』

『遥斗くん？』
綾香は立ち上がりまた座る。

『前は時々しか来ないのに中川くん入部してから毎日来てるから遥斗も丸わかりなの』

『丸わかり？』
綾香は立ち上がり部屋を歩きゴミ箱につま先をぶつけカーペットにうずくまる。

『うろたえてる？いいんじゃない、綾香のそういうとこ。
中川くんなら綾香を大切にしてくれそうな気がするもん』

『大切って、、、』
綾香はうさぎのぬいぐるみを掴んで胸に抱いたのは何かに頼らなくてはならない内容だからだ。

『中川くんが風邪をひいたのも綾香と帰りたいからなんでしょ、一緒に帰ってあげたら？』

『茶髪くんは方向逆だもん、慎吾ちゃんと帰るのはお母さんとの約束だもん』

『綾香まるで小さい子みたいな喋り方、恋をすると変わるっていうけど、綾香はそれくらいがちょうど良くていいと思えるの』

『恋をすると変わる、、、あたしが？』

『甘えたいって思ってるわ』

『違っ、あたしはそんなんじゃないから』

『素直じゃない、だけど中川くんは綾香と仲良くしたいと思ってるわ、断然あたしは中川くんとの恋を応援する』

『茶髪くんは恋をしたいわけじゃなくてあたしに家庭教師をしてほしいって。だけど
…あたしに家庭教師は重すぎるから無理なの』

『綾香だから頼めるんじゃない、中川くんは綾香だから頼むんでしょ』

唯、、、
あたし動揺してる。