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《リベンジ☆ラブ…恋になるまで…》
第1章 成り行きのままに

……
とある朝、学校に行こうと家を出ると慎吾の母・中山楓に呼び止められ綾香はふりかえる。

『今朝寝坊しちゃってお弁当間に合わなくてね、慎吾に渡してあげてくれる?』
すまなそうではありながら笑いながら言う為にすまなそうには聞こえない楓。

だからこそ楓が綾香に言う
『綾香ちゃんは真面目だから慎吾の用事も安心して頼めちゃうのよ』
っていう毎度毎度のセリフも裏表もなさそうだからか、それとも幼馴染みの慎吾の母だからか綾香はさほど真面目というセリフを気にはしていない。

綾香の住む周辺の青山団地から歩いて30分の場所に学校がありグラウンドではサッカーや野球・体育館ではバレーボールと朝練に勤しむ。

綾香・慎吾共に携帯を持ってはいるがメアド交換等していない為3階の廊下で彼女は慎吾を待つしかないのだ。

登校してくる生徒らが廊下の壁に寄りかかる綾香を見ては教室に入っていく、時刻は7時58分。

慎吾ちゃん遅い。
もうすぐ授業始まっちゃうよ。

バタバタと階段をかけ上がる音がしてやっと詰め襟の学ラン姿の慎吾が現れ、
綾香は駆け寄る。

『おはよ、綾香』
『慎吾ちゃん遅いっ、お弁当っ』

『あっ、わりー』
『お弁当ないと学食にパン買いに行くのかと思うから授業始まる前に――』
『わーったって、ありがとさん』

幼馴染みならではの親しいやり取りとツーショットにお弁当という感じで、周りを歩く生徒らがヒューヒューとはやしたてる。

『付き合ってんの?』――と。

綾香も慎吾ももちろん否定する。

だが、こんな男子の一言に周りは笑った。
『だな、森部みたいな真面目でおとなしい奴なんか願い下げ〜』

ひどい…
なんか泣きそう…

綾香はうつむいた。

『笑う必要なくないか?』慎吾はそう言い教室に向かった。

慎吾ちゃん…
ありがとう…
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