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便利屋
第1章 トモの場合
部屋に入った。
最初に目に入ったのは、私の緊張をほぐすような高木さんの笑顔だった。

「ハーブの香りはいかがでしたか?お気に召して頂けましたか?」

「はい。気持ちが落ち着くような香りで、結構私の好みでした。」

「気に入って頂いて何よりです。後ほどオイルマッサージ致します。オイルの種類もも選べるのですが、今回はお風呂と一緒のオリジナルのオイルを使いますね。マッサージ用に配合を少し変えています。事前に改めて香りを確認していただきますので嫌だったら遠慮無くお申し付けください。」

「わかりました。」

「では、早速マッサージに入らせていただきます。お風呂あがりで筋肉が暖まって柔らかくなっているので、まずは日頃の疲れを取りましょう。こちらへどうぞ」

そう言うと高木さんは私をベッドにエスコートする。
何をしていいかわからない私は、言われるがままベッドに座る。

「では、仰向けに寝ていただけますか。」


私はゆっくりと枕に位置を確かめるようにベッドに仰向けになる。
(うわっ、とうとう始まる)
私の心はまだ期待と不安が入り乱れていた。
怖くて目を開けていられない。
(処女じゃないんだから・・・・高木さんに任せるしかない・・・・信じて楽しもう・・・・もうここまで来たら、なるようにしかならないよ)
と自分を励まそうとするが、やはり怖くて目も開けられず、体が強張っていくのが自分でもわかる。

「マッサージをする前にゆーっくりと深呼吸をしましょう。からだの力を抜いて、 ふー、さらに力を抜いてふー、・・・・もう一度、おーきく吸ってゆーっくりはきます。」

私の状況を察して深呼吸を促す。
高木さんの耳障りの良い優しい声が私のなかに入ってくる。

「良いですよ。ちからが少しづつ抜けてきてます。ちからが抜けてからだを中に浮かぶイメージで続けて下さい。日頃の疲れやストレスをマッサージでほぐしていきましょう。痛かったり不快に感じたら言って下さい。では、手から入ります。」

高木さんの手が優しく強く、手から体の中心にむかうようにマッサージしていく。
高木さんの手が触れた瞬間ドキッとした。
旦那とは違う肌の感触、温もり。
これから私はこの人に・・・なんて最初に思ってはいたが、純粋にマッサージとして気持ちが良かった。
からだがほぐれていく悦びに身をまかせる。















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