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有翼神は翼無き女性を愛する~異世界の溺愛恋模様
第2章 目が覚めたらパラダイス

◇
私のファーストキスを奪い、気持ちよさを教え込んだルーキフェルは満足気に部屋から出て行き、替わりに来たのは黄緑色の髪と灰色の瞳、そして透けるような羽根を持った少年、彼がリャナンシーなの。
「目が覚めたんだね、僕はリャナンシーって言うんだ。ご主人様がエイミスの世話をしろって命令されたから、まずは着替えだよ」
「リャナンシーさん?」
「呼び捨てで良いよエイミス。僕たち妖精はルーキフェル様のような天使や悪魔に仕える存在、だからさん付けは無しだよ」
天使? 悪魔? 妖精?
それはまぁ、一般的にはみんな翼があると言われているけど、天使と悪魔って仲が悪いんじゃないの? 少なくても、私が居た世界ではそう教わるよ。
「リャナンシーが妖精で、ルーキフェルは……」
あの見た目、あの俺様的感じから考えれば……。
「ルーキフェル様は、もの凄く力を持った悪魔だよ。この有翼の雲海で、ルーキフェル様に敵う天使や悪魔はそう居ないんだ」
「じゃあルーキフェルにも翼があるの?」
「僕が憧れる、ルーキフェル様の漆黒の翼。普段は翼を出していないけれど、あの翼で飛ぶ姿は圧巻なんだ。そのうちエイミスも見れると思うよ」
「でも天使も居るのよね? 仲が悪いんじゃ……」
私の一般教養はどこまで通じるのかな。なんとなくだけど、ここは私の知る世界とは別な感じを受けるから。
「そこまで仲が悪くないなぁ、天使様もルーキフェル様の神殿に遊びに来るし……。だけど、どこか一線を引いているとは思う、役割が違うからね」

