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有翼神は翼無き女性を愛する~異世界の溺愛恋模様
第5章 俺様登場悪魔ティア
ティアの言葉1つ1つが私の心の中に突き刺さる。どうしてこんなにも悔しくて腹が立つのか、そう私自身に問うてみれば思い当たる節はあるの。
(私を切り捨てた人たちと同じ。有無を言わさず話も聞かずに、私を追い詰めたあの時と同じことを繰り返しているから)
追い詰められ自分から逝こうと思った数々の出来事。裏切り、蔑み、見下し、憎しみ、その全てを内包しているのがティアの言葉。だからこそ、ティアがなにを言っても私は頷きたくないのよ。
頷いてしまえば、私は日本に居た頃の私に屈したことになるという、私が持つ小さなプライドがティアを拒絶しているんだ。
「私は……頷かない。例えティアに犯されても、心は私のもの。ティアには絶対に渡さないわ」
ハッキリと分かった私の意思。ティアに通じていなくてもいい、もうあんなことになりたくないと、ようやく思えたんだもの。……屈したくないティアに。
「いつまで言えるだろうな。籠るぞ女共! 誰も入れさせるな!!」
「ちょ、ティア!!」
「言ったはずだ貴様の意思など関係ないと。俺様の力があれば、女神であろうと逆らうことは出来んと思い知らしてやるっ!」
「っ!!」
私を担いだままティアは神殿を大股で歩く。幾つもの部屋を越え私を降ろしたのは、巨大なベッドしかない部屋の中。
バフッとベッドに降ろされた途端、ティアが私に覆い被さって来て、イケメンだけど腹が立つ顔が目の前にある一番最悪な状態。