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有翼神は翼無き女性を愛する~異世界の溺愛恋模様
第2章 目が覚めたらパラダイス
「それでなんの用だ? ただ仲裁の為に、俺の結界を無視して来たわけではあるまい」
「飛んでいましたら見えましたので、しっかり仲裁ですよ? 秩序を守るのが私たちの役目、それに従ったまでです。
そのついでに美味しいワインを手に入れましたので、試し飲みと思い持ってきたのですよ」
「はんっ、どっちが本命なんだがな。気が反れた、俺様は帰るぜ」
「勝手にしろティア」
ラビエルさんという人のお陰で、ルーキフェルの冷たい雰囲気は抜けたけれど、次は私の近くに居るのは天使。リャナンシーの話によれば、天使と悪魔って住みわけみたいのがあるんじゃないの?
「原因は彼女ですか? ティアは手が早いですからね」
「……悪魔だからな」
「まぁ……。初めまして新しい女神、私はラビエル。天使ですがルーキフェルとは仲が良いのですよ」
「は、初めましてエイミスと言います」
「貴方に相応しい綺麗な名ですね。あぁ、本当に味見の1本ですよルーキフェル」
私とラビエルさんが挨拶を交わしているうちに、ルーキフェルったらバスケットに入っていたワインを取り出し、いきなりらっぱ飲みを始めたの。
……やっぱりまだ怒ってる? それとも味見だけなの? 私はまだルーキフェルの性格が分からないよ。
「旨いが……これ1本か?」
「気に入って頂けたのならば、宴までには大量に運ばせます」
「天国の酒……か。戻るぞエイミス」
「待ってよルーキフェル!」
もう! 私を置いてルーキフェルはさっさと神殿の中に戻って行くしー!
私はラビエルさんにおじぎをしてから、小走りにルーキフェルを追いかけた。