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有翼神は翼無き女性を愛する~異世界の溺愛恋模様
第3章 思慮深い悪魔ルーキフェル
ルーキフェルって歩くのが早いから、追い付くのが大変! 特にこのフワフワ感触が私の歩幅を小さくするのよ。神殿に入れば普通の床なのだけど、それでも追い付けないのは私がトロいから?
そんなことを思い歩いていたら、ルーキフェルのほうが急に立ち止まった。
「ルーキフェル?」
「ティアとラビエルは、お前を神と勘違いしたな。俺の力が上手く作用しているが、神ともなると使える力が必要か」
「そんなことを言われても、私に力なんて無いよ。私が居た世界にはルーキフェルが言う力なんて無いもの、使えないのが当たり前でしょう?」
「無いのか? 面倒だな」
面倒って……好きでこうなったわけじゃありません! 向こうが勝手に勘違いしたんじゃない、それを私に押し付けないでよね。
ルーキフェルはなにかを考える素振りで、全く動かないし私のほうも見ないし、私はどうすればいいの? このまま初めに居た部屋に帰っちゃおうかな。
「……リャナンシー!」
「はいはーい、ご主人様。ご用はなんですか?」
「エイミスを清め、俺の部屋に連れて来い」
「え……? ルーキフェルの部屋? なんで??」
いきなりリャナンシーを呼んだと思ったら、私の意思を無視して部屋に連れて来い? なんで行かなくちゃいけないのよ。
「仮でも力を使えるようにしてやると言っているんだ、大人しくリャナンシーに付いていけ」
「そんなの横暴よー!」
「まあまあエイミス。ご主人様に考えがあるんだろうから、ボクと一緒にお清めに行こうよ」
「へ? ちょっとリャナンシー!?」