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有翼神は翼無き女性を愛する~異世界の溺愛恋模様
第3章 思慮深い悪魔ルーキフェル

 リャナンシーの手が乳首から下に滑り、私の陰部に触れそうになった、その時。

「……そこまでだリャナンシー」
「あーあ、ご主人様に止められちゃったよ」
「……ん」

 風呂場に現れたルーキフェルは、腕を組みながらリャナンシーを睨んでいるみたい。

「誰がそこまですれと言った、清め俺の部屋に連れて来いと言ったはずだな?」
「いや、そのー……。
エイミスが中々言うことを聞いてくれなくて、つい……」
「ついで力を使ったか……このバカヤロウ!」
「うわっー! ごめんなさーい!!」
「……全く」

 リャナンシーが私から離れたとは思う。代わりに私を持ち上げる感覚。
 ……あれ? この感覚を私は知っていると思うの。いつや、どこは覚えていないけれど、同じように私を抱えて歩く振動と、しっかりと私を支える腕。……私はどこで覚えたのだろう。

「……エイミス、意識はあるか?」
「……ルーキフェル?」
「リャナンシーに当てられているな」
「リャナンシー……目を見てと言われて……」
「あぁ、そもそも妖精は悪戯好きだからな、それに妖精には人を惑わせる力がある。リャナンシーは力を使ったんだろう、だから意識が薄い」

 ルーキフェルは片手で私の目を覆う、そうすれば頭の霞みがどんどんと晴れて、私は漸く意識をハッキリすることが出来た。

「これも力?」
「弱い力だが、妖精の幻惑程度などこの程度で十分だ」
「……力って不思議ね」
「エイミス、お前も簡単な力くらい使えるようにしてやる」
「どうやるの?
……その前に私ったら裸のまま!」

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