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有翼神は翼無き女性を愛する~異世界の溺愛恋模様
第3章 思慮深い悪魔ルーキフェル

 意識が透明になれば、ルーキフェルに裸体のまま横抱きにされ運ばれている現実に、私は軽くパニック! だってそうでしょう、普通はありえないじゃないの。

「そこまで騒ぐものか? 下界から連れて来た女は、みな裸のままだぞ。まぁ、あれは飼われているとも言うがな」
「……ルーキフェルも?」

 あ、あれ?
 私はどうしてこんな質問をしているのだろう? ルーキフェルがなにをしていたって、私には関係ない……はず。なのに出た言葉がこれなんて、なんだか変だね。

「俺の神殿にそんなものは居らん、せいぜい宴の時に他の悪魔から借りるくらいだな。普段は邪魔くさい」
「そ、そう」
「気になるかエイミス?」
「違う、そうじゃない……と思う」

 だから、どうしてこんな時に限って、意地悪そうな瞳で私を見るのよ。言った私もバカだとは思うけど、揚げ足を取らなくてもいいじゃない。ルーキフェルのバカ!

「ではどんな思いだ?」
「どんなって……よく分からないよ」
「俺のことが嫌い、というわけではなさそうだな」
「嫌い……じゃないと思う。ティアは嫌いだけど」
「ティアか。そもそも悪魔とはあんなものだぞ」
「でもルーキフェルは違うよね?」
「俺か? さぁな。
俺も悪魔だ、その気になれば……まあいい」
「??」

 どうして? なんで言葉を止めるの? ティアの時もそう、ルーキフェルってどこか変なのよ。それがなにかは私にはまだ判別出来ないよ。でもね、ルーキフェルが、ティアよりラビエルさんに近いと感じたのは私だけ?

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