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有翼神は翼無き女性を愛する~異世界の溺愛恋模様
第2章 目が覚めたらパラダイス
……声が聴こえる、聴こえると思う。私はまだ睡眠薬という名の夢の中に居るのだろうか?
「ご主人様、見て見てー、誰かご主人様の敷地内で倒れてますよ」
「誰がこんな場所で倒れているというんだ……いや、倒れていたか。……女? 何故俺の神殿に倒れている?」
「どうしますかご主人様、このまま落としちゃいますか」
落とす? ではここは天国で落とされたら地獄なのかな? 私はどっちなのだろう、なにもしていないのにあんなことになったんだから、普通は天国だよね、絶対にそうだよ。
「……まて、俺が連れて行く」
「えー! ですがこの者は翼を有していないように見受けられますが?」
「地界の者はこの地には入れん、そうなればこの女は天界に繋がる者、そう捉えてもいいだろう」
「ですがご主人様……」
「黙れリャナンシー、この俺に指図するつもりか?」
「滅相もございません。リャナンシーはご主人様の僕です」
「では俺の好きにさせろ」
ふわっと体が持ち上がる感覚と、人が歩く振動が私に伝わって来る。どうやら地獄に落とされるのは免れたみたい、でもここは本当に天国なの?
じゃあ口の悪い天使さんが居たのかしら、凄い俺様だったように感じたから。
暫く振動を感じていたけれど、今度は気持ちよいフワフカななにかに包まれた感じを受ける。
凄く心地よくてまた眠りが私を誘うの。それに逆らわず私の意識は眠りへと静んてゆく、今度こそ二度と目覚めないはずの深淵へ私は入り込んだ。