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有翼神は翼無き女性を愛する~異世界の溺愛恋模様
第4章 思案と困惑~ルーキフェルside

 だが、向こうの世界でのエイミスは……すでに抹消、つまりあのまま召された。何日も経ち発見されたが時すでに遅し、あの場で眠るように逝ったようだ。
 こちらに居るエイミスは、この状態から魂魄(こんぱく)だけが次元を越え、体を再生し具現化。だからこそ人間とは思えず神でもない、あの中途半端な
形を形成したのだろう。

「出来れば戻してやろうと思ったが、肉体がなければ返すのは無理だ。……全くあの無器用めが」

 水晶を持ち、俺はその場に転がる。返す方法もないエイミスを、いつまで囲い隠していられるか。最大限かばってやろうなど俺らしくもないが、あれを見てしまうと今のエイミスが自由に思えるからな。

「俺は俺が思う行動をするまでだ」

 神は勝手気ままで我が儘。役割以外は、己が好きなことを好きなようにするのが普通。俺もまた気になること以外には触手すら伸びん。
 ……気になった、そう言ってしまえばいいのか? リャナンシーを止めてまで、俺はエイミスを囲いたいという気になったんだ。それのどこが悪い?

「理由ははっきりしたが、どうすればいいんだろうな」

 手のひらサイズの水晶を眺めながら、俺はなにをしたいんだと問う。
 ただからかいたいだけなのか、それとも別なのか、俺ですらよう分からん。気の向くままに行動した結果ともとれるが、それとは少し違う気もする。……心をなくした俺では、その程度の認識しかない。
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