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有翼神は翼無き女性を愛する~異世界の溺愛恋模様
第5章 俺様登場悪魔ティア
私を置いて部屋を出たルーキフェルは、数日帰って来なかった。
どうしても気になる、あの違和感。なぜルーキフェルは驚いて途中で言葉を止めたのだろう。考えても本人は帰らないから、だから答えも出ない。
「夜の『有翼の雲海』も綺麗。雲の上だから夜空がキラキラして見えるね」
窓もない吹き抜けの部屋。夜は薄いレース調みたいな布を垂らしてるけど、風になびく布から見える満天の星空が好き。
星なんて見上げる余裕もなかった、見ようとも思わなかった。生きるのに精一杯で私が忘れていたんだね、ここに来てつくづく思ったよ。
「ルーキフェル……帰って来るのかな?」
疑問と共に感じるのは、ルーキフェルに触れられたあの感覚。酔い痺れるほどの甘い快楽、初めて知った快感。
どうしてだろう、知ると先が気になるの。あのまま続いていたら……そんなことを考えると……。
「……んっ」
体の芯がゾクッとして、ルーキフェルに責められた場所が疼く。男性に縁などなかった私なのに、一度知ってしまった悦楽を、体がもて余している感じ。
冷静にと思えば思うほど体が熱くなり、自分の体なのにどうしていいのか分からない。私はただ疼くのを我慢するしか術を知らない。……だから、こうして星空を見ていると、少し気が紛れるのよ。
「空を飛べるんだから、あの星にも行けるのかな?」
こうして過ごしていれば、予想以上に天使と悪魔が空を飛び回っていると知った。飛べないのは……私だけ。