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第2章 あいり(36歳)

サイアクだわ…

アタシはどうして…

ダンナとお見合いをして、結婚したのかしら…

アタシは…

交通事故で亡くなった前妻の代わりなんかじゃないわよ…

アタシは…

結婚以外にも…

生き方が…

たくさんあったのよ…

アタシは、ダンナと結婚をして大失敗をしたと思っていたので、ダンナと離婚することを考える始めた。

ダンナも、アタシと結婚することがイヤになっていたことに加えて、職場の上司から『君は３月１日付けで取引先の会社に出向になったから机を整理しておけ!!』と突き放す声で出向命令を下されてしまった。

そのまた一方で、ダンナは八王子の実家のアネムコから『家業の問屋の人手が足りないから帰ってこい!!家業を継ぐ立場のお前が帰ってこないと家が困るのだよ…』と言われたので、ものすごく苦しんでいた。

アタシはどっちもイヤだから、ダンナと離婚したら、女ひとりで生きて行くことを決めていた。