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第2章 あいり(36歳)

『どうしたのかなぁ…』
「えっ？」
『どうしたのかなぁ…気持ちが落ち込んでいて元気がないようだね。』
「うん…アタシ…ダンナと離婚することを考えているの…」
『リコン…どうしてリコンを考えているのかなぁ…ぼくにはよくわからないのだけど…』
「結婚以外に…生き方が見つかりそうだから…」
『結婚以外に生きて行く方法が見つかったからダンナとリコンするのかい？』
「うん。」
『それはどうしてなのかな？』
「どうしてって…アタシ…ダンナの亡くなった前妻の代わりだと思っているから…」
『亡くなった前妻の代わりはイヤなのかい？』
「うん…本当のことを言うと…アタシ…20代のうちに恋をして、結婚したかったのよ。」
『30過ぎで結婚したことがそんなにイヤだったのかなぁ…』
「イヤ!!本当にイヤなのよ!!」
『そうか…それなら…一生恋の魔法はかからないままになってしまうよ…それでもいいのかい？』
「恋の魔法…」
『おじょうさんにとって…結婚はなんだったのかなぁ…』
「アタシにとって、結婚はなんだったのかって…」
『結婚生活が楽しくない原因が見つからないので、困っているみたいだね。』

イケメンの魔法使いさんは、ひと間隔を置いてからアタシにこう言うた。