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日曜日の産婦人科
第5章 エピローグ
。。。さん。
。。玲子さん。。

遠くで、誰かに呼ばれる。

ゆっくり眼を開ける。

心配そうな貴方の顔がそこにあり、眼と眼が合う。
慈しむような視線。
私は心底ほっとする。

「気がつきましたか?よかった。少し無理をさせてしまいましたね。気分はどうですか?」

「。。。大丈夫です。」

私は身体を起こそうと、布団に手をかける。
でも、まだ裸であることに気付き、慌ててまた横になる。

そうか。。私、あのまま気を失っちゃったんだ。。。

「学生達は帰りました。興奮冷めやらぬ感じでしたよ。『熟女、ヤバい。』『癖になりそう。』ってね。」

貴方は可笑しそうに、学生の口マネをする。
そして真顔に戻ると、静かに話し始める。

「玲子さん。貴女の病気は。。。いや、病気というより、症状は、きっと治まることはないでしょう。」

布団の上をポンポンと優しくたたきながら、言葉を続ける。

「この身体で。。。我慢できるわけないでしょう?学生達、夢中でしたよ。抱かれてる貴女、綺麗でした。。。」

「ただ、相手を慎重に選ぶこと。病気に気をつけること。ご家庭を壊さないよう、注意を払うこと。それくらいですかね。」

「今日で、日曜日の診察は終わりです。これからは、また平日、婦人科検診の時にいらっしゃい。」

「先生。。。」

私は、どうしても気になっていることを聞かずにはいられない。

「さっき、どうしてこの部屋へ来てくださらなかったのですか?学生さんと、私だけにして。。。」

貴方は困ったような微笑みを浮かべる。

「聞きたいですか?」

無言で頷く私。

「。。。あの状態で、平静でいられる男は、少ないでしょう。私は、治療する立場ですから。」

えっ?それって。。??
でも、今までだって、貴方は私に触れていたのに。あ、思い返してみると、指や唇や道具で責められることはあっても、貴方自身を受け入れたことは一度もない。

私をどんなに追い込んでいても、貴方の視線は冷静で、私には、貴方の感情は見えない。貴方の「自分に集中しなさい。」という言葉通り、私は貴方を見ていなかった。

でも、私は気づいてしまった。
学生達と身体を重ねていた時、私が求めていたのは、貴方。。。
貴方に貫かれたくて、貴方の姿を目で追っていた。

日曜日の診察は、今日で最後。。。
私は、さっきの、貴方の言葉に賭けてみる。
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